大会長挨拶

東京科学大学 大学院医歯学総合研究科 歯科放射線診断・治療学分野

大会長 三浦 雅彦

 日本歯科放射線学会第66回学術大会・第22回定例総会を、東京医科歯科大学が東京科学大学となって初めて主催させて頂くこととなりました。本学会は長い歴史と伝統を有しており、大変光栄であると同時に、身の引き締まる思いです。

 さて、東京科学大学湯島キャンパスに隣接して、湯島聖堂が鎮座し威光を放っています。これは、1690年に建造された孔子廟を復元したものであり、すなわち、本学湯島キャンパスは、孔子ゆかりの地にあります。紀元前6世紀ごろ、師が説いた「温故知新」は、新しいことを知る上で、先人の功績を振り返ることは重要であると後に解釈されますが、古今東西、多くの創造的な研究者は、期せずしてそれを実践していたようです。今回の学術大会では、新しきを”知る”のみならず、”創る”とした造語、「温故創新」をテーマとさせて頂きました。ぜひこの機会に、先人の歴史を振り返り、新たな創造のヒントを掴んで頂きたく願っております。
 
 特別講演では、京都大学放射線生物研究センター長の原田浩教授に、古くから放射線治療にとって切っても切れない関係にある酸素効果について、その歴史を辿りながら最先端の知見をわかりやすく解説して頂きます。教育講演(1)では、QST放射線影響予防研究部の今岡達彦部長に、低線量放射線被曝の影響と防護の歴史的経緯と最新の知見について、教育講演(2)では、東京医科歯科大学名誉教授の高瀬浩造先生に、医科の視点から歯科医療現場に求められる医療倫理について、ご講演頂きます。この2つの教育講演は、歯科専門医機構共通研修となります。また、画像診断、放射線治療の温故創新をテーマとした2つのシンポジウムも企画致しました。花村信之メモリアルレクチャーでは、飯久保正弘教授と角忠輝教授にご講演頂きます。市民公開講座では、映画シン・ゴジラの製作に協力された東京科学大学ゼロカーボンエネルギー研究所の松本義久教授に、「ゴジラから学ぶ放射線生物学」と題して、お話し頂きます。さらに、今回の目玉として、若手で最も多く質問をした方に、最多質問者賞を本大会の最後に授与する予定です。

 東京はアクセスしやすいこともあり、ぜひ多くの先生方、特に新人や若手の先生方にご参加頂き、最後まで熱い議論を交わして頂きたく存じます。新緑の東京で、皆様とお会いできることを、心より楽しみにしております。